白炭(備長炭)焼き方
1、木材の準備
   姥目樫が最も良いが、楢、樫などで代用できる、窯の大きさに合わせた長さに切り揃える
   伐採時期は、生木を用いるため窯詰めの直前が良い(枯れた木では堅炭は出来ない)
   木の太さは直径10cm前後のものが良い、炭になると約10分の1に凝縮する
   太いと、割れた炭になり細いと折れたり扱いにくい
1、炭焼き窯を温める
   およそ半日程度、窯の中で火を焚き窯中全体をを充分に暖める
   温度が高いほど、後工程が円滑に推移すると共に、良い炭が焼ける
2、窯に材料の木材を隙間無く、ほぼ垂直に立てて入れる
   入り口に50cm四方程度の空間を作って、焚き口とする
3、火入れ
   窯の天井の小穴と煙突の穴は全開にしておく
   焚き口に、小枝などの薪を詰め火をつける
   薪を順じ補給し、炭となる原木に点火するまでおよそ6〜7時間焚き続ける  
4、原木着火の見極め
   これに失敗すると、火入れをやり直す事になり、労力と薪の浪費になる
   原木に着火するのは、焚き口ではなく煙突に一番近い場所である
   着火は、煙突から出る煙の色と匂い、喉に与えるイガラッポイ感触で判断するが、熟練しないと
   なかなか難しい
   煙の色が白っぽく煙突から離れてすぐに消滅する場合は、煙ではなく水蒸気である
   煙が少し青味を帯び、煙突から50m程度切れずに連続してたなびくようになれば着火と見て良い
5、焚き口を塞ぎ、原木を蒸し焼きにする
   安全のため弁当を持たせる(焚き口に薪をぎっしり詰め込む、火が消えないための対策)
   焚き口をレンガ等で塞ぎ、小さな穴を5個程度あけて火が消えない程度の酸素を供給する
   天井の小穴はすべて塞ぐ
   数時間掛けて、完全に着火していることを確認した後、5個の穴と煙突の穴の大きさを調整して(小さくして)
   ゆっくり時間を掛けて蒸し焼きにする
   煙(多量の蒸気を含んでいるので白っぽい)が少ないほど良いが、穴を小さくし過ぎると火が消える
   ので注意、煙の具合を見ながら調整が終われば、1〜2日で焼きあがる、後は時々点検する
   ゆっくり焼くほど良い炭が採れる(早いと灰になる率が高く、柔らかく軽い炭になる)
6、焼き上がり
   煙が青くなって来たらそろそろ終盤です、焚き口の小穴から炎がチラチラ見え出す
   ここで、焦らず焚き口が真っ赤になり炭が熾った状態まで待つ
7、炭の完成
   煙突と焚き口を全開にする、すぐには取り出さない
   空気(酸素)が供給され、真っ赤になった炭に黒い部分が完全になくなるまで待つ、黒い影のような部分は
   炭に成りきってないところで使うときに煙が出るのでまずい

8、炭の取り出し
   完全な炭になったら、窯から出して砂を掛けて消す
   完全に消えたら、炭を掘り出す
9、炭焼きの道具
   炭を掻き出す「えんぶり」、焼けた炭を運ぶ鉄板、砂を掛けるスコップ、炭を掘り出す熊手など









                                   第5段階の煙 焼き上がりの最終段階